燐酸
[原料] - リン鉱石
[最終製品] - 食品添加物、肥料、医薬品
無色の個体で、燐灰石から作られる化合物です。肥料や医薬品に用いられます。
空気にさらすと水を含んで分解し、水に溶けやすい性質を持ちます。
酸味つけとしてコーラなどの酸味をつけるのに利用されます。
商品によってはクエン酸やその他の酸が使われます。
また、食品添加物としてハムなどの食品添加物として用いられます。
リン酸はハム・ソーセージの保水性・結着性をあげることができ、食感、風味、色調を高める働きがある。たとえば、ハムは加熱すると肉に含まれる水分が流れ出てパサついた食感になるので、リン酸を使用することで肉中の水分を保ち、柔らかい食感にする用途で使われています。
化学肥料として
リンは植物の発育に欠かせない成分であり、エネルギー代謝、タンパク質の合成などにおいて重要な役割を担っています。リンが欠乏すると生育が貧弱になり成熟が遅れます。
リン酸は「肥料の三要素」の「窒素・リン酸・カリウム」のひとつとして肥料に欠かすことはできない、農業上非常に重要な物質のひとつとなっています。
PH調整剤として
缶詰、佃煮、煮豆、味噌など変色防止やPHを調整し保存性を高めるため用いられます。
かんすいとして
中華麺の独特の食感を作り出すかんすいとして使われる場合があります。
乳化剤として
プロセスチーズは複数のチーズを混ぜたものです。
きれいに均一に混ぜるために乳化剤を使用しますが、この際リン酸塩を乳化剤として用います。
リン酸被膜処理として
リン酸から製造されるリン酸塩溶液による「リン酸塩皮膜処理」は金属表面に不溶性のリン酸塩皮膜を生成させ、防錆性、塗装密着性・耐食性、耐摩耗性などを向上させる化成処理のことで、機械部品・油圧部品・自動車部品などに利用されます。
粉末消火剤として
その他にも身近な物では、リン酸は高い信頼性が要求される半導体や液晶パネルの製造にも欠かすことはできず、リチウムイオン電池にも使用されており、粉末消化剤として消火器にも広く利用されています。
リン酸は腐食性が強いため、輸送においてステンレス鋼タンクが必要とされています。